せっけん作りやドッグアロマテラピー、犬との生活から
感じたこと、学んだことなどを綴りました。
お役立ち情報とともにお届けします。

 
犬たちが気づかせてくれたこと
2005/12/03



 犬と暮らすようになって人生変わった!という方はけっこういらっしゃるのではないでしょうか。まさにわたしもそのひとり、しかも変化はかなり大きかったと思います。「アンタは変わった!」夫からもよくそう言われます。そういう夫もだいぶ変わりましたが・・・。
 わたしは団地育ちだったので、子供の頃からずっと犬と一緒の暮らしは憧れでした。犬を飼いたい!それが実現したのは、6年ほど前、この土地に引っ越して来てからです。初めての犬は動物愛護団体から引き取ろうということになり、ボランティアさんからどきどきしながらもらってきた子が、三毛犬“ももちゃん”です。犬の飼い主歴はまだまだ浅いほうといえるでしょう。そりゃあ始めは大変でした。何しろ犬とは都合のよいときにしか接したことがありませんでしたから。あちこち家具はかまれるし、オシッコやフンはされるし、家の中をすごい勢いで走り回るし・・・子犬を迎えれば当然のことも、初めての我が家にとってはとても大変なことだったんです。いつもガミガミ怒鳴ってばかりいましたね。子犬でも、いつ豹変してガブッと噛みつくかわからないという気持ちもどこかにあって、あの頃はただてこずるばかりの毎日でした。だけど、ふっとももちゃんを見ると、「あなたがわたしのすべてです」っていう顔をしてこちらを見つめ返しているんですよ。言葉ではうまく言えませんが、ビビッとくる瞬間です。このとき、ももちゃんはとうとううちの子になりました。ももちゃんが家に来たのとほぼ同時に、せっけん作りとアロマテラピーを始めたのも、わたしにとっては運命的な出来事。自然とともにある暮らしに意識が向いたことは、ともに大きな心の変化でした。


 さらに大きな変化をもたらしたのは、次に迎えることとなったアイリッシュ・セターのはなちゃんです。ももちゃんとは、体型も性格もまったく違った犬です。夫が外回りの仕事中よく通る道に動物病院があり、壁に“アイリッシュ・セター差し上げます”の貼紙が!!どうしよう~と言う夫に、カッコいい犬だから、すぐもらわれちゃうよと話していたのですが、その後半年間、貼紙はそこにありました。最初はかわいい子犬の写真入りでしたが、だんだん擦り切れて、ついに広告の裏紙に・・・これはせっぱつまっていると感じたわたしたちは、とうとうアイリッシュ・セターを引き取ることにしてしまったんです。はなちゃんという1歳ちょっとの女の子です。ももちゃんも、妹がいたほうが寂しくないよね、と思って・・・。でも、すぐにそれが勝手な思い込みであったと気づかされることになりました。ももちゃんはなかなかはなちゃんを受け入れませんでした。家の中は常にピリピリとした雰囲気で、みんな心が休まりません。ソファも2台壊されてしまいました。ある日、最大のバトルが起こり、ももちゃんがアルファの地位を確実にしました。引き取るのを半年も迷っていたため、はなちゃんが子犬でなくなってしまったのも、生活を難しくさせた原因のひとつと思います。そして、最大の反省点は、わたしたち夫婦によこしまな気持ちがあったということ。アイリッシュ・セターをつれて公園を散歩できたらステキだろうな~なんて気持ちが心のすみっこあったのは事実です。きっとはなちゃんは、「わたしを何だと思っているの?思い上がるのはやめて!」と、怒ることでしょう。でもやっぱり、ももちゃんと同じような目で、けなげにわたしたちを見るのでした。

 それにしても、同じ犬なのに、二頭の違いときたら!ももちゃんは階段を下りるとき、トントンとリズミカルに下りていくのに、はなちゃんは手足が長くて、ものすごく不器用な下り方なんです。まるでエイリアン!座る姿勢もぎこちなくて、安定悪そうです。耳だってなんでこんな垂れ耳なんだろう。いつもムレていてものすごく耳垢がたまります。はなちゃんを見ていて、人間の責任を感じました。我々の都合でこんなに彼らの姿を変えてしまったことを。野生のオオカミが彼らを見たら、「なんだ?この不恰好で弱々しい連中は!」と思うことでしょう。だからこの子達の命に責任をもたなければならない。うちに子だけ幸せになればいいわけではない、犬やネコ、家畜といわれる動物たちを、わたしたちは都合のいいようにつくり変え、増やしてきたかわりに、彼らが苦痛なく一生を過ごせるように努力しなければならないと、強く強く思います!

 こうして、わたしは愛すべき身近な動物“犬”たちのための仕事を模索し始めました。そして、彼らのためのせっけん作りとアロマテラピーの道を選びました。彼らにありがとうと言ってもらえる仕事ができたら、こんなにうれしいことはありません。わたしは、勝手な思い込みや傲慢さから、彼らに対してたくさん失敗をしてきましたが、気づかせてくれたのはうちの子達。
ももちゃん、はなちゃん、ありがとう。










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