せっけん作りやドッグアロマテラピー、犬との生活から
感じたこと、学んだことなどを綴りました。
お役立ち情報とともにお届けします。

 
はなことの3か月
~その2・ぜったい治してあげる~
2009/7/31


 はなちゃんにリンパ腫の診断が下ってすぐ、ステロイドによる治療を始めることになりました。抗ガン剤のように積極的な治療ではなく、ガン性の炎症を緩和するための治療です。毎日ステロイド剤、抗生物質、胃を守るためのH2ブロッカーの3種の薬を飲み続けます。ステロイドというと、できるだけ飲ませたくないイメージが強いですが、すでに食事もほとんどとれず弱っているはなちゃんを前にして、NOとはいえない状況でした。
 お薬は全部で10錠もあります。チーズに丸めこんで口の横から押し込み、ようやく飲ませました。投薬翌日から、はなちゃんの食欲が戻り始めました!スゴイ!食べてくれるのがこんなに嬉しいと思ったことはありません!食べれば体力も免疫力も上がってきます。食欲の回復とともに、顎下のしこりもぐんぐん小さくなっていきました。

 動物病院で1週間分の薬をもらい、週に1度、通院します。薬の効きが悪いといわれていたにもかかわらず、先生も驚くほど良好な結果が早く現れ、家族にも活気が戻ってきました。抗ガン剤や放射線をやっていればもっと効いていたかもと思うときもありましたが、迷ったり後悔するのはよそう、その時々で最善のことをしていこうと、心に言い聞かせました。
 ちょうどその頃、主婦の友社の雑誌ミーナさんが、犬のせっけんの取材に来られ、せっけんとともに我が家の2ワンも掲載してくださることに! カメラマンさんに写真を撮ってもらいすこぶるゴキゲン。 Peach Blossomの看板犬として満面の笑顔で応えていたはなちゃん、本当によかった。

 わたしは自然療法の観点からドッグケアを学んできました。でもいざ自分の愛犬がガンになってみると、それらのものがまったく活かせない、客観的な判断ができないのです。そんなわたしの相談にのってくださったアロマスペースNICOの姫野先生。同じホリスティックペットケアを志す大先輩です。弱っていくはなちゃんにすっかり憔悴していたとき、いくつかの心強いアドバイスをしてくださいました。取り引き店のペットケアステーションさんからは、励ましのメールを何度も頂戴しました。静岡のおり~ぶさんは、免疫力を高める酵素と、ペットのお守りを送ってくださいました。いろんな方が心配してくださり、励ましのお言葉をかけてくださいました。とってもありがたかった…。


2008年11月26日のブログより
『元気を取り戻してきました!』

はなちゃんの件で励ましのお言葉をくださった皆様、本当にありがとうございました。
先月末からステロイドの投薬を受けています。
心情的にはあまりうれしくないステロイドですが、今回ばかりは迷っている余裕はありませんでした。
でも、投薬を始めた翌日から食べるようになり、もとのような生活ができるようになりました。
腫瘍はだいぶ小さくなりましたが、まだあります。
わたしも、ぜったいに寛解させたいと思うようになりました。
はなちゃんに「治してあげるからね!!」と声に出して言いました。
これまで8錠飲んでいたステロイド薬を、昨日から徐々に減らし始めています。
もちろんこれは、獣医さんの指導によるもの、このまま飲み続けると副作用でクッシングになってしまいますから。
それとともに、エイジアックを開始しました。
これは北米先住民の薬草療法で、フローエッセンスという薬草茶(健康食品)を煎じて飲むものです。
飼い主ができることはやろう!
悲観ばかりしていたら、いいせっけんだってできないもんね!
不思議と、わたしが前向きになったのがはなちゃんにも通じたみたいです。

アタシ元気よ!


 病院での治療とともに、家庭でもいくつかの自然療法を試みることにしました。食事は特に気を使い、炭水化物は極力避けて脂質を多めに、酵素、β-グルカン、オメガ3脂肪酸を強化したレシピに、エイジアックの薬草茶を混ぜました。顎下リンパのしこり部分には毎晩浄化作用の強いクレイでパックをし、パック後には抗腫瘍作用が期待されるトリートメントオイルをすりこみました。フラワーエッセンスのレメディも飲み水に入れ、わたし自身も一緒に飲みました。正直、これらの自然療法とステロイド薬や抗生物質といった医薬品との拮抗がないかどうかは気になりましたが、誰にも答えはわからない、とにかくやってみるしかない!

 「絶対に寛解させてあげるからね、はなちゃん!」

そう言いながら、ひたすらケアする毎日。一時は浅頚や腋下にもでき始めたしこりが完全に消え、顎下に残っていたしこりも非常に小さく、本当に治るのではないかと期待感が高まりました。あの頃、本当にわたしは寛解を信じていたんです。

 でも、コトはそううまくは運びません。ガンとはそんなに簡単には消えてくれないものです。しばらくすると、顎下のしこりは再び少しずつ少しずつ、成長を始めました。
 はなちゃんの体の中で、正常な細胞とガン細胞とが闘っている。ガン・・・遺伝子の小さな異常・・・狂った細胞の増殖。ガン細胞が増殖して体が死に至るならガン細胞自身も生き残れないのに、なぜガンは発生して増えるのだろう。ガンって自殺細胞なのだろうか。わたしたち夫婦は考えます。ひょっとしたらガンは、生命の進化の兆候なのかも。生物は、ガン細胞を増殖させながらも生き続けることのできる新しい生命体になろうと、限りない試みをしているのかもしれないねと。


再び大きくなった顎下のしこり
クレイパックを肌に密着させるために被毛を剃っています

 一度は小さくなったしこりも、1か月ほどで逆戻り、元の大きさ以上になってしまいました。ステロイド薬の効果もこれが限界。上の写真をご覧ください!こんなにしこりが大きくなっていても、はなちゃんの長いたれ耳をおろせばすっかり覆い隠されて、誰も気づく人はいませんが。幸いなことに元気・食欲ともにあり、生活は発病する前となんら変わりなく続けられていました。医薬品の限界を、自然療法が補っていたのかも・・・?本当のところはわかりませんが、とにかく、普通に暮らせることが何より嬉しい。2008年も終わり、一時は年を越すのも難しいと思われたはなちゃんでしたが、家族そろって静かで幸せなお正月を迎えました。

                    * * * * * *

 時間がたつのは早いもの。1月も後半にさしかかり、もも・はなを連れて八景島に遊びにいくことにしました。相変わらずはなちゃんの調子はよく、海の公園ドッグランでは、初対面のチョコラブちゃん、ジャックラッセルちゃんと一緒におおはしゃぎ。何度も何度も走りました。そのあとはシーパラダイスをお散歩。海ぎわの道を潮風のにおいをかぎながら歩き、コーヒースタンドでくつろぎ(ここでホットドッグをトンビに盗られたわたし)、ペリカンさんの池を通って・・・なんて幸せな日なんだろう! 

 この時間がずーっと続いてほしいな・・・。

 そう思いながらも、これが最後のお出かけかもしれない・・・はなちゃんのしこりに気づいたときと同じ、小さな不安が心をよぎりました。




はなことの3か月
~その3・最期の日~


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